お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
「高臣さんは、優しい人です」
「凛子さん……」
「足りない部分はきっとお互いにあります。でも、高臣さんとなら、そこを助け合える関係になれると、私は信じています……」
 『優しい人です』というまっすぐな言葉が、胸の中にじんわりと染みわたっていく。
 どうして凛子は、俺という人間をそこまで言い切ってくれるのだろうか。……信じてくれるのだろうか。
 自分自身で自分のことを分かっていないのに、凛子がいるだけで"自分"という形が保てていける気がする。
 ……そうだな。
 生まれてこの方自分に関心を持ったことはなかったが、凛子といるときの自分はとても"良い感じ"な気がする。
 何を不安に思うことがあったのだろうか。
 ――俺は、凛子がいれば、何もかも大丈夫なのだ。
 そんな、根拠のない自信を積み重ねて、これからは鮮やかな日々を生きていきたい。
 何よりも愛おしく、何よりも大切なこの人と。
「この場をお借りし、改めて言わせて下さい」
 俺はひとつ深く呼吸をしてから、凛子と京香さんに向けて宣言したのだ。
「凛子さんを、生涯大切に守ります。この先、どんな日があっても」
 心の奥底から誓う。
 花のように美しい凛子の笑顔を、ずっとずっと守り抜くと。
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