お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
そして、なぜか咲菜はそのまま凛子に挨拶をして、スススッと遠くへ消えていく。
嫌な予感がして振り返ると、そこには父親の妹――横浜店の代表である、里佳子(リカコ)さんがいた。
「高臣、元気にしてた?」
彼女は派手な真っ赤なドレスに身を包み、セミロングの黒髪をきつく巻いている。
里佳子さんは、咲菜が最も嫌っている人間であり、無論俺も用がなければ会いたくない存在だ。
「……ええ、とくに変わりありません」
「さっきまで咲菜も一緒になかった?」
「神宮司さんのところに挨拶に向かいました」
あいつ、俺に面倒な嘘をつかせて、あとで覚えていろ。
胸のうちで咲菜を呪いながら、俺は愛想笑いもせずに里佳子さんに淡々と言葉を返す。
なぜ彼女が咲菜や俺に嫌われているかというと、その傲慢で金に貪欲な性格のほか、自分の息子を俺の今いる地位にすべく、ありとあらゆる攻撃をしてくるからだ。
俺の母親にも当たりが強く、基本的に三津橋家の血を引いていないものは見下している。早く結婚をするよう、俺にいくつもの縁談を持ってきたのもこの人だ。
会社を大きくすることを考えること自体はいいが、行動のすべてがピントがずれている。
社員に対しても愛のない接し方をしていることは有名で、よく銀座店に戻りたいと相談してくる社員がいるほどだ。
こんなやつに凛子を紹介しなければいけないことは屈辱だが、この状況で紹介しないわけにはいかない。俺は凛子に「父の妹だ」とこそっと耳打ちをしたが、すぐに質問が飛んできた。
「……その女性は?」
じろっと目だけ動かして、凛子に視線を送る里佳子さん。
凛子はびしっと姿勢を正してから、静かに頭を下げる。
「彼女は凛子さん。俺の婚約者です」
「ふぅん、話には聞いていたけれど、高梨園の娘さんなんですって?」
「はいっ、高梨凛子と申します。今日はお招きいただき……」
「あー、はいはい。大丈夫」
凛子の挨拶を途中で遮って、里佳子さんはふいと視線を俺に戻した。
クズだとは思っていたが、あまりにもな態度に怒りがこみあげてくる。
そんな怒りをしらずに、彼女はぺらぺらと自分勝手なことを小声で耳打ちし始めた。
「高臣。そんな若いだけのお遊び相手と付き合っていないで、もっと会社を大きくする相手と付き合いなさい。この子以上の女性なんて、今まで何人もリストに上げてきたでしょう」
嫌な予感がして振り返ると、そこには父親の妹――横浜店の代表である、里佳子(リカコ)さんがいた。
「高臣、元気にしてた?」
彼女は派手な真っ赤なドレスに身を包み、セミロングの黒髪をきつく巻いている。
里佳子さんは、咲菜が最も嫌っている人間であり、無論俺も用がなければ会いたくない存在だ。
「……ええ、とくに変わりありません」
「さっきまで咲菜も一緒になかった?」
「神宮司さんのところに挨拶に向かいました」
あいつ、俺に面倒な嘘をつかせて、あとで覚えていろ。
胸のうちで咲菜を呪いながら、俺は愛想笑いもせずに里佳子さんに淡々と言葉を返す。
なぜ彼女が咲菜や俺に嫌われているかというと、その傲慢で金に貪欲な性格のほか、自分の息子を俺の今いる地位にすべく、ありとあらゆる攻撃をしてくるからだ。
俺の母親にも当たりが強く、基本的に三津橋家の血を引いていないものは見下している。早く結婚をするよう、俺にいくつもの縁談を持ってきたのもこの人だ。
会社を大きくすることを考えること自体はいいが、行動のすべてがピントがずれている。
社員に対しても愛のない接し方をしていることは有名で、よく銀座店に戻りたいと相談してくる社員がいるほどだ。
こんなやつに凛子を紹介しなければいけないことは屈辱だが、この状況で紹介しないわけにはいかない。俺は凛子に「父の妹だ」とこそっと耳打ちをしたが、すぐに質問が飛んできた。
「……その女性は?」
じろっと目だけ動かして、凛子に視線を送る里佳子さん。
凛子はびしっと姿勢を正してから、静かに頭を下げる。
「彼女は凛子さん。俺の婚約者です」
「ふぅん、話には聞いていたけれど、高梨園の娘さんなんですって?」
「はいっ、高梨凛子と申します。今日はお招きいただき……」
「あー、はいはい。大丈夫」
凛子の挨拶を途中で遮って、里佳子さんはふいと視線を俺に戻した。
クズだとは思っていたが、あまりにもな態度に怒りがこみあげてくる。
そんな怒りをしらずに、彼女はぺらぺらと自分勝手なことを小声で耳打ちし始めた。
「高臣。そんな若いだけのお遊び相手と付き合っていないで、もっと会社を大きくする相手と付き合いなさい。この子以上の女性なんて、今まで何人もリストに上げてきたでしょう」