俺様社長と溺愛婚前同居!?
着替え終わり、小さな籠バッグを持つと、玄関のほうへ向かった。
「お待たせ」
玄関ですでに準備を終えていた賢人さんは、車のキーを片手に私のことを待っていた。
すらっとした長身だから、このシンプルな装いでも様になる。改めて素敵だなと胸を高鳴らせたところで、彼は手を差し出した。
「……手」
「ん?」
「手を繋ぐぞ」
目の前にある大きな手。指先まですらっと長くて、男らしい手のひらが向けられて固まった。
「え……? あの……」
「俺に慣れろって言っただろ? 近くにいることに慣れるんだ」
「でも……っ、それは、さすがに恥ずかしい……」
「でもじゃない。ほら」
ぐいっと引き寄せられ、私の手が賢人さんの手に包まれる。
彼の傍に寄ると、シトラス系の爽やかな香りがして胸の鼓動が跳ね上がった。
いい……香りがする。
しかも顔を上げたら、賢人さんの男らしくて綺麗な顔。じっと見たらドキドキで胸が壊れてしまいそうだから、直視できない。
「結花、お前は俺の妻だ。それらしく振舞うように」
「がん、ばる……」
「じゃあ、行こうか」
男の人の手って……こんなに大きくてゴツゴツしているんだ。ぎゅっと握られていると、安心するし頼もしい感じがする。なんだろう……守られているような。