俺様社長と溺愛婚前同居!?
ええ……っ。本当にいいの? 鴻上さん、こんなことをしている場合じゃないんじゃないの?
戸惑っている私に待ちきれなくなった鴻上さんは、強引に私を車に押し込んだ。そして運転席のほうに回ると、エンジンをかけた。
「出すぞ」
「……はい」
無理矢理降りるわけにもいかず、急いでシートベルトをつけて従うことにした。
それにしても、こんな超高級車に乗るなんて生まれて初めて。
ハンドルやメーターなど、内装のどれもが洗練されていて、まじまじと見てしまう。
確か……この車ってドイツの一流メーカーのブランドだよね。あのハンドルの中心にあるマーク……有名な高級車のシンボルマークだ。
お尻を乗せているシートの座り心地も最高で、振動を一切感じさせない。
隣を見ると、見た目麗しい鴻上さんが真剣な顔で運転しているというシチュエーションに緊張してしまう。
「何か、すみません……お忙しいのに」
「気にしなくていい。仕事上の怪我なんだから、来てもらっている側としてちゃんとした対応するのが当然だ」
「……ありがとうございます」
ビシッとスーツと高級車が似合う鴻上さんの助手席に座っているのが、Tシャツにデニム、その上にエプロンをしている私。
隣にいるのが申し訳なくなるくらいの不釣り合いさに情けなくなってくる。
でもこんな機会、一生訪れることがないだろう。