俺様社長と溺愛婚前同居!?

『もしもし! 結花、たいへん!!』

「何、なに? どうしたの?」


 息を荒げて興奮している様子に驚いた。花蓮がこんなに興奮しているなんて珍しい。


『今ね、シンクフロンティアの社長さんがうちに来たの!』

「ええっ」


 それは一体何事だと、息が止まりそうになる。

 何か失礼があってクレームが来たのではないかと、気が気でない。


『結花いますかって。家に帰ったって言ったら、家まで行くって言ってた!』

「うそでしょ!」

『それよりも、それよりも! シンクフロンティアの社長って、写真で見るよりめちゃくちゃイケメンだね!! あれ、ヤバいよ~』


 きゃあ、きゃあと興奮していたのは、鴻上さんが格好いいからだったらしい。隆さんがいるというのに、その興奮ぶりはどうなの、とツッコミたいところだけど、それどころじゃない。

 今からうちに来るって言っていた。そのほうが一大事だ。


「どうして家を教えるかな!」

『だって~』


 だってじゃない。
 しかも今、お風呂上がりですっぴん。まだ髪もちゃんと乾かせていない状態なのに!

 どうしよう、と慌てている間に、家のインターホンが鳴った。

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