俺様社長と溺愛婚前同居!?
やはり俺の思った通り、仕事を精一杯やっているだけで、特別な感情は持っていなさそうだ。
害のある相手ではなさそうだと安心したところで、用は済ませた。早々に退散しようと話を切り替えることにした。
「じゃあ、俺はこれで」
「ありがとうございました」
車に戻ってエンジンをつけたところで、はっと思い出す。
「しまった……」
弁当のお礼を言うつもりだったのに、言いそびれてしまった。
まあ、次に会ったときでいいかと思い直し、車を発進させた。
それから高梨結花と俺の不思議な弁当生活が始まった。
ランチタイムに食事をしない俺のために、彼女は俺だけの弁当を作りだした。そして中身はいつもハンバーグ。
確かにハンバーグが好物だとは言ったが、まさか連日で出てくるとは思ってもみなかった。
しかし飽きるどころか、色々な種類のハンバーグが出てくるので毎日の弁当が楽しみになってしまった。
チーズインハンバーグ、ポテトサラダが中に入っているハンバーグ、カレーハンバーグに、和風。
ソースも好きなものを選べるように、何種類か用意してある。
「すごいな」
思わず声が漏れる。社員たち用の料理とは別にこの弁当も作って、メニューも考えて。