俺様社長と溺愛婚前同居!?
「シンクフロンティアさんは、破格の値段でランチタイムの専属契約を結んでくれそうだから……これが決まれば安泰なんだけどな」
「確かにそうだね」
シンクフロンティアは都内一等地のビルに入っている、SNS映えしそうな今時風のオシャレなオフィス。
十数人の社員さんは全て男性で、フレックスタイムで勤務。
そのシンクフロンティアに、ランチ派遣の依頼がきたのは三ヵ月前のこと。
フレックスタイムのため、オフィスにいる社員はいつも疎ら。
その上、男性社員たちの食事状況は最悪で、コンビニご飯やインスタント食品ばかり食べているため栄養も偏っている。
ケータリングサービスHANAにランチタイム出張をしてもらって、美味しい食事を提供してもらうことで、社員の士気が上がるのではないかと社長の提案で依頼がやってきた。
花蓮は他のケータリングの準備で忙しいため、隆さんか私が担当することになった。
最初は男性社員の中に私を放り込むなんてできない、と隆さんが行ってくれていたのだが、数回行ったあと、私が行ったほうがいいのではないかと提案された。
「俺が行くより、可愛い女性が料理をしたほうが、社員さんたちが喜ぶかもしれない」
と、隆さんの見解。
偵察してくれた隆さん曰く、危なそうなオフィスでもないし、女性一人で行っても大丈夫だろうと判断された。