俺様社長と溺愛婚前同居!?

 男の人と同じベッドで眠るなんて、想像しただけでも恥ずかしくて死にそう。

 一緒に寝るってことは、パジャマで、すっぴんなわけで。

 しかも寝顔……っ。人様に見せられたものじゃない。


「できません、そんなこと……っ! 恥ずかしい」

「あ、また敬語。ほら、言うことを聞くことって言っただろ?」


 また敬語を使ってしまった……と逃げ場を失ってパニックに陥る。


「結花は、男性慣れしてなさすぎる。これだと夫婦に見えないままで不自然だ。ふたりの生活感を出さないと怪しまれるだろう?」

「た、たた、確かにそうなんだけど……でも、男の人と一緒に寝るなんて、したことないし……」

「だろうな。キスも俺としかしてないんだから」


 キスのことを言われて、賢人さんとのキスを思い出す。

 ゆっくりと近づきてきて、目を閉じた賢人さんの顔。目を閉じていても格好よくて、その顔が至近距離にきて、唇に柔らかい感触――

 ああ、もう。これ以上思い出すのはダメだ。刺激が強い……!


「顔真っ赤」

「し、仕方ないでしょ、慣れていないんだから……っ」

「はは。ごめん、ごめん。とにかく、一緒に寝ても変なことはしないから」


 その「変なこと」を想像して、もっと頬が熱くなる。この場からすぐに逃げ出したいくらい恥ずかしい。


「結花がしてほしくなったら、することにする」

「もう、からかわないで!」


 変なことを言うから怒るのに、賢人さんは悪びれることなく楽しそうに笑っている。

 私の反応を面白がってる……!

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