俺様社長と溺愛婚前同居!?

 今まで男の人と手を繋いだこともないし、抱き締められたこともない。男性と付き合ったことがないから、触れ合うことなんかもなかった。

 だから、気を持たせるようなことを言われると、恥ずかしくてたまらなくなるのに。


 人の気も知らないで……!


「いいか、結花。ここで生活をして、俺に慣れていくように。いつまでも恥ずかしがっていては、本物の夫婦に見えないからな」

「……う、うん」



 そういうことで、始まった同居生活。


 荷ほどきを始め、自分の部屋に私物を並べていく。賢人さんに手伝おうかと言ってもらったけれど、下着や見られたくないものがあるから、一人でやると言って丁重にお断りしておいた。

 なので、彼は自分部屋で仕事をしているようだった。


「はあ……」


 まさか一緒に寝ることになるなんて。

 持ってきた寝間着は全然可愛くなくて、シンプルなTシャツにショートパンツだ。一緒に寝るって分かっていたら、もっと可愛いものにしたのに!

 って、可愛いさを求められているのかどうかも分からないけど。


 ああっ、こういうとき、どうすれば……!

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