【完】爽斗くんのいじわるなところ。


「なんで莉愛がキスすんの?」


「それは……」



そう責める爽斗くんが、近づく。



――ドックン、ドックン


大きく鳴った心臓は次第に速さを増していく。



「キスってさ……」



チュ、と軽く音を立てて唇に温もりが残って、


「どうでもいい相手としちゃいけないんだよ」



また唇が軽く触れ合う。



「んん、それ……爽斗くんが言うの?」



恥ずかしくて顔を背けると、今度は頬に甘くキスをされて。



「うん。言う」




耳もとに声がおちる。



「や……」


首に息がかかってぞくりとした。



「……こっち向いて。嫌ならいいけど」

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