極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 叶汰を見かけて声を掛けてきたのは、元サッカー選手で今はスポーツ用品やウェアを販売している会社の社長の一色秋文だった。叶汰がデザインした洋服を好んで着てくれており、モデルをお願いしたこともあった。引退しても根強い人気を誇っている。

 「叶汰さんがパーティーに参加するなんて、珍しいですね」
 「挨拶したい人がいまして。神水製薬会社の社長に会いたいんですけど、見かけませんでしたか?」
 「彼も久しぶりにパーティーに参加しているみたいですね。先ほどステージの前あたりでお会いしましたよ」
 「ありがとうございます。挨拶してきます。また、店にもいらしてくださいね」
 「叶汰さんが居る時にぜひ」

 一色と別れた後、叶汰はステージの方へと向かった。
 そこに居る、神水椿生という男に会うために。
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