極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 『あの曲が大好きだし、ファンの人からも人気があるんです。私をここまで成長させてくれた原点はあの曲だって私はずっと思ってました』
 『ありがとう、嬉しいよ。俺もあの曲が完成した時は、本当に嬉しかった。海をイメージしたあの曲は、hotoRiにぴったりだなって思った。でも、hotoRiが歌をのせた曲は実は聞いてなくて。だから、病院のコンサートで初めて聞いたんだ。こんなに曲がキラキラしているなんて、思いもしなかった』

 その時を思い出しながら話しているのか、椿生は目を細めながら畔を見つめた。
 初めて会った日にhotoRiだと知り、昔の事も思い出してくれていた。
 だったら何故教えてくれなかったのか?
 
 椿生は畔の頭をポンポンっと撫でる。
 そして、ゆっくりと手話を続けた。
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