極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
8話「甘い時間とラズベリー」

   8話「甘い時間とラズベリー」



 少し早い時間に到着が、すでに椿生は待っており、畔を見つけると笑顔で手を挙げてくれた。
 今まではスーツ姿しか見たことがなかったが、大きめの白いTシャツの細い黒ズボンという爽やかでシンプルな服装の彼を見て、畔は見惚れてしまった。長身細身の彼は、待ち合わせの場所でも目立っていた。

 『お待たせしてして、すみません』

 畔は彼に駆け寄り、手話でそう伝えながら頭を下げた。すると、椿生は首を横に振って、優しく微笑んだ。
 
 『俺が早く着きすぎたんだ。今日は来てくれてありがとう。嬉しいよ』

 手話で話した後、椿生はゴソゴソと鞄から大きめのノートとペンを取り出して、後半の言葉をそのノートに書いた。
 畔はそのノートをまじまじと見ていると、椿生は畔に水色のペンを渡した。

 『今日はこのノートで話さない?スマホもいいけど、ノートだと残るし、思い出にもなると思って。ダメかな?』

 椿生は「スマホの方が便利かな」と独り言を言っているようだった。が、畔は彼が持っているノートに、水色のペンで文字を走らせた。

 『ノートがいいです!嬉しいです!』

 畔がそうゆっくりと文字を書き、彼の方を見つめると、椿生はホッとした表情を見せた。
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