極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 今となっては、それにも慣れて一人で寝られるようにはなってきたが、それでも不安はある。
 彼になら甘えてもいいのだろう。「怖かった」「不安だった」と言ってもいいのだ。
 「何でも言ってごらん」と、椿生に言われたようで、畔の心は満たされ、安心した。

 『守って欲しい………です』
  
 畔はゆっくりと手をあげて手話を1つ1つ丁寧に作り上げた。涙は流れてしまうが、畔が必死に伝えたのを見て、椿生は笑みのまま頷き、畔の頬の涙を指ですくい、そしてそのまま体を抱きしめてくれる。

 そして、『おやすみ、いい夢を』。畔は彼がそう言ったのではないか。そうわかった。
 彼に抱きしめられているからなのか、彼の思いが強かったからなのか、それとも勘違いなのか。畔にはわからなかった。

 けれど、畔にはそれを気にすることはなかった。

 椿生と一緒に寝ているというのは本当の事なのだから。
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