極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました


 『椿生さんは年上ですし!それに、出会ったばかりだから………』
 『そういえば、まだ敬語だしね』
 『それは………』

 むくれた顔をしながら、畔を見る椿生。そんな少し子どもっぽいいじけ方をする彼は、どうすればわかってくれるのか、畔はオロオロしながら、どうしようかと次の言葉を迷っていた。

 『じゃー………名前から変えてみようか』
 『え?』
 『はい。じゃあ、「つばき」って呼んで?』
 『そんな!いきなりは無理ですよ』
 『んー………』

 彼は唇を尖らせて少し迷った後、畔の手を取り椿生の口に畔の手のひらを当てた。

 「畔…………」

 微かに見える唇の動き。
 そして、肌で感じる彼の唇。
 彼がいつもと違う呼び方をしたのがわかり、畔は小さく体を震わせた。
 恋人に呼び捨てにされるというのは、大して変わらないようで、どこか大きく違う。

 彼が求めていたのはこういう事なのだ。畔は、ようやく彼の気持ちを理解する事が出来た。
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