極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
『じゃあ、さっそく…………』
そう言って、椿生が優しく頭に触れた瞬間、畔は体がビクッと震え、そして体が熱くなるのを感じた。そんな畔を見て、椿生は少し驚き手を止めた。
畔はハッとして、思わず目を逸らしてしまう。
椿生はただ頭を撫でようとしただけだったのかもしれない。畔は自分だけがそんな気持ちに支配されていたと思い、恥ずかしさで頭がパンクしそうだった。
(何やってんだろ………経験もほとんどないのに、期待してるみたいで、はずかしい………)
その場から逃げてしまいたくなった。
が、そんな畔の手を椿生は優しく手を取り、そのまま腕を引いて、リビングの方へと歩いていく。
畔は戸惑いながらも、彼にこの真っ赤になった肌を見られていないと、少しだけホッとした。
彼が向かった先はリビングに置かれた彼のピアノの前だった。スーツのジャケットとボタンを外し、彼はピアノの前に座り、そして畔を見上げた。
『新曲を初めて聞く、ファン1号にさせてくれるんだよね?』
『………ぇ………』
『畔の歌声を聴かせて?』