今日も、明日も、お前に恋をする。
「じゃあ、帰っか」
「そうだね」
サッカーコートを出て、二人で校門に向かって歩く。
その間に昴先輩に【先に帰ります】とだけメールを送っておく。
まだ部活は終わらないだろうし、それに、あの後だと先輩と一緒に帰るのが少し気まずい。
「ちょ、びっくりしたよ!」
「え?」
何にびっくりしたんだろう?
「あのかっこいい先輩....名前は、えーと.....」
かっこいい先輩?
あ、もしかして。
「昴、先輩?」
「そうそう!
その先輩と知り合いだなんて!」
ああ、さっきの話か。
「私抜きで話しが盛り上がってたし、めっちゃ気まずかったんだから~」
おちゃらけに笑いながらそう言った沙羅。
........確かに。
あれは、よくなかった。
沙羅の入部の話だったはずなのに、途中から沙羅を置いてけぼりにしてしまった。
「ごめんね」
申し訳なさそうにボソリと謝ると
「いいのよ、まったく気にしてないから!」
二カッと笑った沙羅の表情に、どこかホッとした。
「未来の家ってどっち?」
「私、こっちだよ」
「そっか、私とは反対だ~」
いつの間にか校門についていた私たち。
沙羅とはここでお別れみたい。
明日も会えるはずなのに、ちょっと寂しいと思ってしまう。
「じゃあ、また明日ね、未来!」
「うん、また明日ね」
お互いに手を振って、家に帰った。