トライアングル・ビーチ
何もかもどうでもよくなった。ライバルのお古の水着も。由良の返事も。佐治くんがその一角に立っていた、本当のトライアングルも。
まゆきとわたしは水をかけ合い、波が来るたび悲鳴を上げ、子どものようにげらげら笑い続けた。
砂浜に散った恋を、波が洗い直してくれると信じているみたいに。
海水で日焼け止めが流れてしまったうなじに太陽が容赦なく照りつけ、じりじりと肌の焦げる音がする。
目にも鼻にも耳にも水が入りこむ。
どこかの家族連れのゴムボートにぶつかり、謝りながらまた笑う。
顎のラインで切りそろえられたまゆきの黒髪が濡れて乱れるのがなんだか嬉しくて、初めて彼女と心が通い合った気がして、とにかく無性におかしくて。
しょっぱい海の中で、壊れたラジオみたいにわたしたちは笑い続けた。
「――すみません、市井さんっ」
呼ばれて振り向くと、知らない男子がざぶざぶと海水をかき分けて近づいてきていた。ガタイがよくて、日に焼けている。
まゆきとわたしは水をかけ合い、波が来るたび悲鳴を上げ、子どものようにげらげら笑い続けた。
砂浜に散った恋を、波が洗い直してくれると信じているみたいに。
海水で日焼け止めが流れてしまったうなじに太陽が容赦なく照りつけ、じりじりと肌の焦げる音がする。
目にも鼻にも耳にも水が入りこむ。
どこかの家族連れのゴムボートにぶつかり、謝りながらまた笑う。
顎のラインで切りそろえられたまゆきの黒髪が濡れて乱れるのがなんだか嬉しくて、初めて彼女と心が通い合った気がして、とにかく無性におかしくて。
しょっぱい海の中で、壊れたラジオみたいにわたしたちは笑い続けた。
「――すみません、市井さんっ」
呼ばれて振り向くと、知らない男子がざぶざぶと海水をかき分けて近づいてきていた。ガタイがよくて、日に焼けている。