【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
『一緒にいて楽しかった』
ふと、いつか聞いた言葉が蘇る。
こんなつまらない私といて、そんな事を言ってくれた。
優しくて綺麗なだけじゃない。
真剣な顔をして仕事の話しをしてくれたり、
努力家だったり
真摯な想いを伝えてくれたり
一言じゃ言い切れない。
そんな人。
社長は、私にとって⋯⋯。
「⋯⋯いい人だと思ったよ。優しいし、仕事も丁寧に教えてくれるし。⋯⋯見た目も、心も、素敵な人だと思った」
自分の心に触れるように、つぶやいていた。
でもこれが、素直な気持ちであることを改めて理解すると、じわじわと熱がこみ上げてくる。
「わあぁ〜! 先輩真っ赤で可愛い〜」
「同じイケメンでも、園部先輩には全然そんな様子見せないのに」
「―――」
緑川くんに意外そうな視線を向けられて、園部は興味なさそうにビールを煽った。
もう、やだ、この空気。
熱くなった頬を背けながら、私はせかせかと席を立つ。
「ちょっとお手洗い」