王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
いつもおっとりしてて、いまいち何考えてるかわからない美来ちゃん。
でも真剣な彼女の思いを受けて、私の心は驚きから、感謝へと変化してゆく。
「⋯⋯ありがとう。じゃあ⋯⋯ごめん。今日は、友達のところにいってくる」
「ふふ、友達ですか。園部先輩と緑川くんは任せて下さい」
『友達』ではない。そんなの自分でもわかってる。
だからといって恋人でもない。
なのに、社長には私をこうさせる何かがあって、身体が彼もとに飛んでいこうとしている。
美来ちゃんの笑顔に見送られて、私は急いで店を出ていた。