王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
「やっぱり⋯⋯責任とってもらおうか」
「⋯⋯なにいって」
お互いさまとか言ってたのは社長の姿はそこには無く、どこか感じるのは危険な香り。
心の中が動揺と困惑で埋め尽くされた。
この人は、本当に漆鷲社長でしょうか?
「ずっと焦がれていた小うさぎが、心配してのこのこついてきた。ただで帰すのは勿体ないよね――」
うさぎ? なにいってるの。
「あ⋯⋯」
その途端、強く手を引かれて、私はそのまま前に倒れ込んだ。
眼鏡がソファへと転がり、慌てて顔を上げると、鼻先が触れそうな距離に、社長の美術品のように整った顔がある。
ひぃゃ!!
ち、近すぎ!