【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「⋯⋯思い出した?」
固まっていると、遠慮がちに非の打ち所の無い美貌が覗き込む。
どこか甘さを含む穏やかな声。
確信した。
彼から香る甘い花のような香り。
あの日もそんな香りがしてた⋯⋯。
慌てていたから、顔を見る余裕が無かったけど。
資料室で眼鏡を拾ってくれた素敵な人は―――
永斗さんだ。
そのキラキラ輝く瞳を見て微笑み
「はい」
と頷いた。
すると、永斗さんの手がまっすぐ私に伸びてくる。
「あの瞬間から、僕の心は君にあるんだ」
「あの瞬間⋯⋯?」
「そ。君がはじめて僕に笑顔を見せてくれた瞬間」
ぐっと後頭部を引き寄せ、そのまま深く口付けてきた。
髪を撫でつけながら、何度も何度も食み合う唇。
忍び込んできた舌はすぐに余計な思考を奪っていく。
この一日だけで、キスをしすぎて腫れ上がりそう。
なのに嫌じゃなくて、もっと、もっと、貪欲になる自分が恐ろしい。
しばらく口付けたあと、一度離れて
「今夜も帰らないで⋯⋯」
再びはじまる、むせ返るほど甘美な触れ合い。
そして延泊へと用意周到ぶりに唖然としたのは、もうしばらくキスを堪能したあとのことだった。
――――――