【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
はじめて触れた唇は、マシュマロみたいだと思った。
すぐに離れていくかと思ったのに、何度もその柔らかさで甘く包み。
優しく食べるように私を翻弄してゆく。
腰に回っていた大きな手が、強張った私の背中を撫でて緊張を解いてゆき。
うなじに触れていた指先は髪へと潜り込む。
それだけで身体の奥がじぃんと熱くなり、全身の力が奪われる。
押し返すことだって出来るはずなのに⋯⋯
甘美な刺激に圧倒されてなにも考えられなかった。
やがて、ひとしきり私を翻弄した唇は、最後にちゅっと下唇に吸いつくと、ようやく顔を離した。
ゆっくりと開かれた碧色の瞳には、トマトよりも赤く石のように固まる私が写りこんでいる。