王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】


才能溢れる美しいこの会社の御曹司。

手当てをするためにここにきたはずなのに、

流されるがままにお茶を共にして

抱きしめられて

それから、なぜかプロポーズされて

腰砕けのキス


⋯⋯理解不能な上にキャパシティーオーバー

まさに緊急事態



「あの、社長⋯⋯」


なんで⋯⋯こんなこと


胸に手をついて、少し顔を離しただけの距離。

絶世の美を前に、こんな至近距離で正常な判断なんてどうしたらできるだろうか。

スーツ越しでも分かるほど、逞しくてしなやかな身体。

その上にいるのは分かっているのに、私は膝がガクガクで立てなかった。

そんな私を見て、社長は余裕の表情でクスっと笑う。
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