【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「ええ! そのハートの意味知らないんですか――!?」
食堂でお弁当を食べる最中、大きな声をあげた美久ちゃんに「シー」とゆびをあてて注意した。
「声が大きいよ」
「あ、すみませんつい」
清涼感あふれる白の半袖シャツとフレアな黒いスカートの美久ちゃん。
申し訳無さそうにぺろりと舌を出す。
もう一週間くらい前だろうか。
美久ちゃんには、飲み会のとき帰してもらった恩もあり、かいつまんで彼とのことを話してある。
さすがに相手がウチの社長だとは言っていないけど、勘が鋭くて情報網が広い美久ちゃんなら、全部知っていてもおかしくない。
だから、眼鏡についたコレの意味を知っててもおかしくないと思ったわけで。
案の定知っていた彼女は、「信じられない!」と言わんばかり、テーブルを挟んだ向こう側から、お弁当を跨いでずいっと顔を寄せてきた。
「これは、今世界中で流行ってるんですよ! プロポーズに使う男性も多いんですからぁ」
「ぷろぽぉーおず?!」
今度は私が思わず声が大きくなって、慌てて口を押さえた。
はっ、いけない。興奮しすぎた。