王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
パァッ⋯⋯と、心が喜びに満たされる。
「そうですね。お仕事の関係もありますし。でもその前に、会長からもらった箱の中身が気になってて――」
「先にみたいんですが」と言う言葉は、ウエストに回っていた大きな手のひらが、お腹を怪しく撫で回すことで封じられてしまった。
指先に力が籠もっていて、
なんだかさっきまでの触れ方と明らかに違う⋯⋯。
な、なんかおかしい。
そして、背中から感じる永斗さんの温もりはいつの間にか、ガンガン熱くなっていて
あああ、あれ⋯⋯?
「⋯⋯え、永斗さん? 聞いてます?」
「う―ん⋯⋯いや聞こえない」
はい?
「やっぱり⋯⋯昨日途中でくるみ寝ちゃったから、まずはさ――」
不穏な言葉に焦って、ギギギっと振り向くとそこには、ギラついた瞳の優美な狼がいた。
ピッタリくっつくやけどしそうな身体。
「くるみのせいだし、いいよね?」
なんて、不敵に笑っている。
いやいや!!
ちょ、ちょっと待って⋯⋯!!
もう充分愛してもらいましたから――!!
お、起こさなきゃよかった―――!!
―――――――