王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
なだめるように優しく伝えた永斗さんは、うつ伏せの私を上から重なるように抱きしめる。
そしてそのまま体重をかけないように、ころんと横になると「ありがとう」と何度も耳でささやきながら、髪を避けてうなじにキスを降らせる。
く、くすぐったい
ついつい甘い言葉と、優しい触れ合いにほだされるチョロい私。
「そういうことじゃないのに⋯⋯」
「そういうことだよ。君は、僕の一番大切な人で、そんな人と生涯の約束が出来たんだから」
生涯の約束。
その言葉ひとつで、ムスくれた気持ちがシュルシュルとしぼんでいって、あっという間に気持ちは元通り。
いや、それ以上に気分をあげられてしまって、結局永斗さんには敵わないのだ。
そんな自分に心底呆れつつも、嫌とは感じない。
「おめでとうございます」
「ん、ありがと」
自然と二人の口から笑みがこぼれおちる。
永斗さんへのプレゼントは後日ちゃんと渡そう!
「じゃ、今から今後の式までのスケジュールを話し合おうか」
ええ! 本当に?