王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】

終わらせるに決まっているだろう。

大切な約束が入ったからな。


「金曜日は、出張や会食は避けてくれると嬉しい。食事の予定入れたから」

すると島田は、真顔で素早く懐から黒い手帳を取り出して、にらめっこをした。


「⋯⋯今から深夜の便で海外へ飛び、明日は企業との締結を控えております。木曜日の夕方に帰国しての夜は会食⋯⋯。今のところ予定はありませんが、追加が入ったらなるべく次の週に回しましょう」

「ありがとう」


そう伝えると、やれやれと言った表情を残してから、敏腕秘書は革靴を規則正しく鳴らして部屋を去っていく。


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