友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
もしも別の方法だとしたらと、考えた。
でもきっとうまくいかなかった。

病気で苦しむ香澄に、私はきっと自分を責めたと思う。
渉と想いを通じ合えたとしても、過去の私のままならきっとどこかで自分の気持ちにストップをかけていたと思う。

香澄だからこそ考えられた嘘は、私をよく知っているということも、同時に香澄がいかに私を想ってくれているかも伝わる嘘だった。


香澄の分まで、想いの分までちゃんと生きよう。
生きたい。


私は空に向かいそう、毎日誓っている。
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