友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
どうしても断れず無理やり誘われた飲み会は、同じ部署の先輩の送別会だった。
定期的にある部署の飲み会。ほとんど参加しない私でもさすがに上司の送別会には参加しないと常識外れになってしまうかと、渋々参加をした。

お酒を飲めない私ははじめからウーロン茶を注文して、なるべく酔っている上司のそばにいないようにしていた。
大皿で運ばれてくる食べ物を配ったり、足りない飲み物や皿を店員に注文していればしつこく飲まされることはないだろうと、せっせと動いていて、食べた気もしない。

ただ早く終わることを願っていた。

何度も時計を見ながら、あと少しで終わるだろうか。二次会には絶対に行きたくはない。
どのタイミングで抜けようか。うまく抜けられるか。
そんなことばかり考えている。

「あれ~?岡崎ちゃんのんでないじゃん」
2時間の飲み放題。なのに、2時間たっても注文ができなくなるだけで退店しなくてもいいスタンスの店だったらしく、上司は残っている酒をのみ、酔いがかなり回ってきていた。

めんどくさそうなのが来た・・・
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