Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
尿を提出し、待合へと戻っていくと二人の姿がなかった。

「二人して逃げたのかな?神楽坂先生」

「さぁね…でも、さすがに…産婦人科外来は女性ばかりだしね…目立つから・・・此処まで…付き添ってくれただけでも…良しとしないと」

私と凛香さんが二人でソファに腰を下ろした。

「二階のカフェでコーヒー飲んでるってさ…」

私のスマートフォンの豊からのラインメッセージが入った。

「私の所にも入って来たわ…呼ばれたら、ラインしてくれって…」

「・・・」

「二人で妊娠すれば…神楽坂先生とも同い年の子供が誕生しますね…」

「そうなればいいけど…」

私は不育症…妊娠経過に問題ないとは言い切れない。
空のように妊娠八ヵ月での死産だけは免れないけど…

この最後のチャンスを棒に振れば…私と豊は永遠に赤ちゃんを抱っこ出来ない。








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