行き着く先は・・

••早鐘のような心臓


ドライヤーをかりて髪を乾かしていると
聡吾さんからドライヤーをとられて
「やらせて。」
と、ドライヤーを取る聡吾さんに
「あ~、いや~、一人で、出来ます。」
と、言うと。
「他人の髪を乾かすなんて
やったことない。
希空の髪は綺麗だし、触ってみたい。」
と、言い終わる前には
ドライヤーのスイッチはオンに
優しいタッチに
人に乾かしてもらうなんて
私も初めてで·····だけど気持ちいい···
うつらうつら·····と

クスクス··笑う声が····
「あっ、ごめんなさい。
私ったら、眠っちゃうなんて」
「問題ないよ。」
「ありがとう。凄く気持ち良くて。」
「ああ、そうみたいで、良かった。」
「はじめて男の人から
髪を乾かしてもらうなんて····
小さい時は、母がやってくれたけど。」
「そうか。」
と、言って
私の口にキスを落として
ミネラルウォーターを二本取り
一本を私に渡してくれた。

「ありがとう。 」
と、言ってからゴクゴクと飲む
緊張もあり、喉が乾いていたようだ。

聡吾さんは、私のミネラルウォーターを
取ると口に含み
私の口に口移しで飲ませて
こぼれるミネラルウォーターを
部屋着の袖で拭いてくれながら·····

その行動に呆気にとられていると
聡吾さんは、ニヤリと笑って
私を抱えあげた
「きゃっ!」
「捕まっとけ」
と、言うから
慌てて聡吾さんの首に腕を回す
聡吾さんは、私のおでこに
キスをしながら歩いていく
その先は······寝室

私は、ベッドの上にそっと
下ろされた。

聡吾さんは、私を上から見つめてくるから
恥ずかしくなり、顔を背けると
クスッと笑いながら
「女を寝室のベッドに運んだのも
初めてだ。この部屋、このベッドに
女性をいれたのも初めてだが。
全てが希空だから、許されるんだ
と、俺のここが言っている。」
と、胸を指すから
真っ赤になっていると
おでこや目蓋、頬、鼻の頭にキスをして
唇を近づけてきて
「アイシテル」と、囁きながら
唇にキスをする。

何度も離れてはキスを
繰り返し、深いキスをされて
「·····んっ·····」
甘い声が漏れる

聡吾さんは、一度、私を抱き締めて
「希空、やっとお前に触れられる。」
と、妖艶に囁くから
「聡吾さん·····すきっ····」
と、伝えると
私の手を自分の胸にもっていく
聡吾さんの心臓は、かなり早い音を
たてていた。
私だけが緊張しているのでは
ないんだと嬉しく思った。
< 100 / 116 >

この作品をシェア

pagetop