行き着く先は・・

••それぞれのイタリア


思いがけない父と母の馴れ初めを
聞いて···
修吾さんとの関連を聞いて····
私が、母に似ていたから
声をかけたのだろうか
と、思っていると

「リタの花屋で
一生懸命に勉強をしている
綺麗な日本人がいると
リタからも聞いていたし
リタの店の客からも聞いて
当時の茜を思いだしたのは
間違いない。
だけど、声をかけた私に
嬉しそうに、懐かしそうに
返事をした希空ちゃんと
話していたいから
通ったんだよ。
茜の娘さんだとは知らなかったが
花を愛し、必死に勉強する
姿勢は、当時の茜の姿と
かぶっていたのは、間違いない。
だけど、私の気持ちに関係なく
リタは、希空ちゃんに店を任せたい
と、言った。
私は、それに答えたい。
それだけだよ。」
と、言われて
「そうだったのですね。
修吾さんと母の事は
私には分かりません。
だから、後でゆっくり話して下さい。
今は、契約等の話をしましょう。」
と、伝えると
少し笑いながら
修吾さんとお母さんは
契約を交わして
この店は母の店ではあるが
全てを私に渡された。
「希空、気負う事なく
自分の店を運営してみなさい。
日本と違う国で
日本人の花屋がイタリアの人へ
浸透する事ができるか
あなたの力を試すと良いわ。
辛い、苦しい、わからない
なんでも連絡をして。
私は、あなたと同じ経営者で
あなたの母親なんだから。」
と、言ってくれたお母さんに
涙を拭きながら
「頑張ってみます、私なりに。
ごめんなさい、せっかく二人で
暮らし始めたのに。
たった二人の身内なのに。
そばにいなくて。」
と、伝えると母は、
「寂しいのは、お互い様でしょ。
でもね。体には気をつけること。」
と、言うから
「お母さんもね。」
と、言って二人で抱き合った。

私達が話す間に
修吾さんは、そっと席を外していた。

その夜、母に修吾さんと
きちんと話して欲しいと
お願いした。

母もそう思っていたのか
わかった。
と、言った。

明日、リタの家の中
店の中を見て
山寺さんに連絡をする
と、言うことで
母とわかれてホテルに戻る

イタリアに来てから
ホテルに宿泊している
修吾さんのホテルだ。
母も、隣の部屋に。

聡吾さんから連絡が来て
私は聡吾さんと一緒に
食事をする事になった。

母は、修吾さんと······
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