行き着く先は・・

••聡吾さん?


私も母も毎日忙しく過ごしている。
日本からの花は
やはり珍しくて評判が良い。

アレンジやブーケも
良く頼まれるようになって
嬉しく思っていた。

ケイトもバイトから
本格的に勤めてくれる事に

悠人さんは、今日本へと帰っている
日本のご両親へ話しを含めて
書類を揃える為に

私は神田のご両親宛に
お手紙を書いて渡して頂けるように
御願いした。
ただ、お父さん、お母さんの
身体が心配だったから。

悠人さんは、修吾パパの
会社の経理部長として
勤める事にした。

レストランで働いてみたい
ホテルの受付とか
考えていたらしいが
修吾パパが経理を見せた時に
「やらせていただけませんか?」
と、言ったらしく
修吾パパが、直ぐに部長として
受け入れることに。
住まいもマンションも
修吾パパが住んでいる
下の階に住むことに。

ひかりに話すとびっくりして
「焼け木杭とか?」と、言われたが
「ないない。」と、言い
二人で笑った。

本当に、私と悠人さんは、
友人?上司と部下?
そんな感じだ。

たまに、一緒に食事をしたりするが·····

今日も、たまたま悠人さんと
会って食事へ。

悠人さんは、日本から戻ると
精力的に働いた。
神田のご両親とも和解できたようだ。
私もお手紙の返事を頂いた。
本当に優しい方々だ。

今日も
修吾パパに頼まれた仕事があったとか。
悠人さんと食事をしながら
話していると
テーブルを« コンコン »と。
顔を上げると·····聡···吾···さん?

あれ以来、会っていなかった

「希空、知り合い?」と、悠人さん。

日本であったが、覚えてない?
「あ~と。修吾さんの息子さんで
秋山 聡吾さんです。
私の義兄です。
前に、日本で悠人さんの腕を····」
悠人さんは、立ち上がり
「その節は、失礼いたしました。
今、秋山社長の元で仕事を
させて頂いております。
神田 悠人と申します。」
と、頭を下げると
「秋山 聡吾です。
あいつの所で働いているのか?」
と、悠人さんに言うと私に
「辛い思いをさせた、この人と
一緒で、大丈夫なのか?」
と、私に訊ねるから
「はい。大丈夫です。
悠人さんからきちんと謝罪が
ありましたし。
今は、恋愛を通り越した関係が
出来ています。
それに、修吾パパが認めた方ですから。
心配して頂いてありがとうございます。」
と、言うと
「そうか。
お前が辛くないなら、それで良い。」
と、言うと彼は悠人さんに
頭を下げてから立ち去った。

その時の聡吾さんの顔から
落胆?辛さ?悲しみ?
が見られて
何かあったのだろうか?
と、聡吾さんの後姿を見ていると
悠人さんが
「希空、行ってきな。」
と、言うから
ん?と思っていると
「気になるんだろ?
もう、食事は、終わっているから。」
と、笑いながら言ってくれたから
「悠人さん、すみません。
  ありがとうございます。」
と、言って席を立った。
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