行き着く先は・・

••悠人さんの今後


夜は、修吾さんからのお誘いで
母と悠人さんと四人で
食事をした。

その時、悠人さんは
修吾さんに全てを間接的に
話した。

私と母も知らない事があり
びっくりしながら聞いていた

特に神田のご両親の話しには
驚かされて
悠人さんに謝ると
「正直、仕事が忙しい中
希空が俺の両親に連絡してくれたり
合いに行こうとしてくれたのを
知らなかった。

親父は、希空からの電話を
楽しみにしていたみたいだ。

そんな希空を傷つけたと
口もきいてくれなくて
そんな親父やお袋の気持ちも
考えずに、親父に文句を言ったら
勝手にしろと
二度と実家にくるなと
お袋も泣くんだ。

良い年して親を泣かせて
何をやっていたのかと
情けない。」
と、頭を抱えていた。

結局、仕事人間のいすずさんとは
夫婦になることもなく
話し合って別々の道を進む事に
なった·····と。

希空との生活が頭にあって
希空なら····と思っていたのが
態度に出ていて、
いすずを苦しめていたかもと。

母は、同じ親として
ご両親を思い涙を流していた。

そんな母の涙を修吾さんが拭く。

会社でも、かなり肩身の狭い思いを
したらしい。

「希空の事をみんな好きだったから
俺を憎む奴も、転勤してこなければ
という奴もいた。
だが、全て俺が悪いからと
全てを受け止めるつもりだったが···」
と、先の言葉がでない悠人さんに

「それを受けても、家でも一人。
パートナーがいるのに
癒して貰うこともなく、
一人ぼっちだと思ったのでしょう?」
と、修吾パパが言うと
悠人さんは、ハッと顔をあげて
「はい、正しくその通りでした。」
と、言う·····

「あ~、神田さん。
私の話ではないのよ。
修吾の今の話しは。」
と、言う母に悠人さんは、
そう思っていたらしく
「えっ、違うのですか?」
と、苦笑いをしていた。

修吾パパは、
「茜とは、昔昔に付き合っていて
希空を通じて再会したんだ。
私が、日本では、自分がやりたいことは
できないとイタリアにきた時の
妻の話なんだ。

神田さん、あなたは仕事が
できる人だと見受けられる。
どうだろう、私の会社に
入らないか?
明日は、会社を見て貰うつもり
だったんだ。
会社、ホテル、レストランと
手掛けている。
多国籍の人達が働いているが
日本に未練がないなら見てほしい。」
と、言う。

悠人さんも母も私も
びっくりしたが。

「悠人さんは、経理課長の時代も
仕事ができる人でしたよ。」
と、私が伝えると
修吾パパは、頷いていたが
母が
「希空と、再びとか?」
と、おちゃらけて言うと
「その気持ちがまったくないのかと
言われたらあります。
ですが、希空にそのつもりが
ないとわかります。
俺は、希空が幸せになるのを
見届けないと、見届けたいと
思っています。」
と、言う悠人さんに
私も母も、前の悠人さんではない
と、感じた。

それからも四人で色んな話をした。
時には、笑い。時には、真剣に。

悠人さんは、修吾パパの会社へ
明日行く事にしたらしい。

楽しい食事をして
私は、自宅に帰った。

そんな私達四人を
見ていた人がいることは
知らなかった。
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