行き着く先は・・

••テレビを観て


あの夜、聡吾さんに
送ってもらって
お礼を言ってから
一週間が過ぎた。

相変わらずに
毎日、忙しい。
ありがたい事だと思っている。

お母さんと修吾パパから
店の代金やリフォームの代金は、
完了にしようと言われた。

まだ、全然払ってないが。
修吾パパが、
私にしてあげる事がないと
毎日、呟くらしく。
お母さんが、
「ねぇ、そうして。」
と、言いながら
「毎日、毎日、言われるのも辛いのよね!」
と、言うから
「修吾パパ、ありがとうございます。
甘えてごめんなさい。」
と、頭を下げて伝えると
「いや~っ全然。
良かったぁ~、希空の役にたてて。」
と、破顔しながら言うから
母は、あきれ顔で
私は、嬉しいやら可笑しいやら
で、笑ってしまうと
修吾パパも母も一緒に笑いだした。

母と修吾パパが帰った後
店の片付けをケイトと済ませて
鍵を閉め
『ケイト、お疲れ様。』
『ノアさん、また、明日。』
ケイトと別れて二階へ
「希空!」
と、呼ばれて振り向くと
聡吾さんが階段下にいて
「どうされたのですか?」
と、訊ねると
「明日、TVにでるんだ。
観てくれないか?
その後、新聞等にも掲載されるかも
しれないが。」
と、言うから
「TV?スゴいですね
  時間は?観れるかな?」
と、呟くと
「13時からだ。」
「では、ケイトと休憩を変わって
貰いますね。」
「ああ、ありがとう。じゃな。」
と、手を振る聡吾さんに
「はい。お休みなさい。」
と、言うと聡吾さんは、
踵を返して帰って言った。

それを伝えにわざわざ?
TV······ね。

やっぱり、私とは次元が違うか····
と、思いながら
聡吾さんの後姿を見ていた。
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