行き着く先は・・

••テレビからの告白?


翌日は、母はバタバタ準備して
花を生けに行った。
午後からは、あがるわね
とだけ伝えて。

あ~、聡吾さんの話を
しようと思っていたのに。
と、思いながら
仕事に追われていた。

13時少し過ぎて
自宅に戻りテレビをつけると
聡吾さんのインタビューが
始まっていた。

仕事についての質問に·····答えていた。
どうやら、聡吾さんは、
スパーモデルへ····と·····

人気や業界の男性モデルの中で
高所得を得た、と言うことらしい。

「凄いな、聡吾さん。
義妹なんて、言えやしない。」
と、一人りゴチ。

すると·····
『私は、公にしてきませんでしたが
秋山 修吾の息子です。
私は、幼少の頃から父を嫌って
生きて来ました。
たまたま、スカウトされた会社が
父の会社だったのですが。
私も父も会話をする事もなく
過ごしてきましたので
お互いに、その事への干渉もなかった。

ですが、
それは私が父を勝手に誤解をして
今まで生きてきたからです。
その事を義母から教えて貰いました。

だからといって直ぐに
普通の親子の関係になるには、
年月が経ち過ぎていますので
今は、お互いが少しずつ
歩み寄っているところです。』
と、話す修吾さんに
インタビューをしていた人も
回りのスタッフも驚き
大スクープの騒ぎ。

『どうして、今告知を?』
と、訊ねる記者に
『私は、憎む必要の無い人を
ずっと憎み、思いやりと言う言葉を
知らずに生きて来ました。

一般の方が思う
大切する。大事にする。
愛する。恋をする。
そんな感覚が
欠落していたのです。

この年になってそれを知りました。
人間として欠落していると言うことを。

ですが、こんな私が
どうしても、そばにいて欲しいと
想える女性を見つけたのです。

一度は、付き合う事になったのに
私は、忙しさにまかせ連絡を
取ることもなく放置をし
仕事仲間であるモデルの友人達と
遊び呆け。
そんな私から彼女は離れて行きました。

だが、何が行けないのか
何がおかしいのか
わからなかったのです。
バカな男ですよね。

ですが、もう一度だけ
彼女に私を見て欲しくて
父にこの発表の了承を貰いました。
義母の力添えを貰いながら。』
と、話す聡吾さんに
私は涙が止まらなかった。

記者は、またまた、スクープと
インタビュールームは
大騒ぎだった。

あの恋多き男····
モデル業界のプレイボーイ····
本気にならない男····
等々····の浮き名を持つ

« Sogo »が·······と。

『その女性は?』
と、なり
『すみません。
彼女は、一般の方ですので
それは、話せません。
それに、私は彼女から一度
ふられていますので
上手くいくのかさえも
わからない状態ですので。』
『それでしたら、上手くいかれた
時は、必ず報告して下さいね。』
と、言う記者の方に
『はい。お約束します。
駄目な時は、あ~っと考えないように
します。』
と、寂しげに話す聡吾さんに
『世界の« Sogo »をふる
女性にお会いしたいようにも
思いますが、ご健闘を祈ります。』
と、記者が言うと
『ありがとうございます。』
と、記者に頭をさげると
カメラに向かって
「親父にも茜さんにも許可は取った。
待ってろよ!」
と、日本語で告げた聡吾さんに
真っ赤になりながら
口がパクパクしていた。

母から直ぐにLINEが·····
❬ 素直になりなさい ❭
と、来た。
だから、バタバタと出て行ったのだと
おかしくなるが······
❬ ありがとう ❭
と、返した。
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