結婚から始めましょう。
「桃香」

蓮は私の体調を労わるように、優しく手を握った。そして、落ち着いた口調で話しはじめた。

「すまなかった。僕は、桃香の一番近くにいて、桃香が何かに悩んでいたことになんとなく気が付いていたのに、こうなる前に助けることができなかった。ごめん、桃香」

頭を下げた蓮は、静かに泣いているようにも見える。

「落ち着いて聞いて欲しい」

私が頷くのを待って、蓮は意を決したようにゆっくりと口を開いた。

「まず、桃香がここに入院していることだけど、3日前に参加したカサブランカのパーティーで、終了後に倒れたんだ」

カサブランカのパーティー……思い出した。と同時に震えだした私の体を、蓮が抱きしめる。

「桃香、大丈夫だから。僕を信じて」

背中を撫でる蓮の手の温かさに、次第に震えが治まっていく。



どれぐらいそうしていただろうか。完全に震えが治ると、蓮はそっと体を離して再び話はじめた。



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