結婚から始めましょう。
ああ、高橋桃香さんね。私の担当じゃないわ……って、

「えっ?」

気付けば私が4人の視線を独占していた。

「わ、私!?」

うんうんと華子が嬉しそうに頷いている。

確かに数週間前に会員登録はしたけれど、あれ以来なんの音沙汰もなかったし、てっきり流れてくれたと思って気にもしてなかった。

他の社員がさほど驚いていないのは、登録したあの日、華子が「桃ちゃんの婚活よ!!」って高々と宣言したからだ。

「華子さん、どんな方なんですか?」

早速、最年長の山田がうずうずした様子で声を上げた。
華子は胸の前で両手を握ると、嬉々として話し出した。

「それがね、お相手は会員さんではなくて、私個人からの紹介なの。化粧品会社カサブランカの社長さんよ」

カサブランカ、カサブランカ……
あれ?どこかで聞いたような……

「えっ?カサブランカって、あのカサブランカですか?」

素っ頓狂な声を上げた田村。

「うんうん。そうよ。あのカサブランカよ」

「確かあそこって、秋葉グループの傘下よね?」

田村の言葉に華子が笑みを深める。

「そうなの!!旧財閥の秋葉グループ傘下のカサブランカ。南田さんのお勤め先よ。桃ちゃんも、行ったことあるわね?」

「あっ、純也さんの」

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