触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「ミカさん早く乗って〜」



開けられたドアの前で止まっていたら、澪ちゃんが後ろから覆いかぶさってきた。

肩にあごを乗せられる。

促されるままタクシーに乗り込む。



澪ちゃんが住所を告げるとタクシーが走り出した。

背もたれに寄りかかって手を握られる。



ーーこの前みたいに、できなかったらどうしよう。

ていうか澪ちゃん、機嫌直ってるじゃん。もうこれでよくない……?



緊張なのか、お酒のせいなのか、吐きそうになってきた……。
心臓が口から出そうな勢いでドキドキいっている。

今絶対、顔が赤い。


気づかれないように窓の外を見る。
一瞬で繁華街を抜けて、住宅街を走る。

澪ちゃんの家の最寄り駅を通り過ぎて、通っている大学の前に差しかかる。

順調に進んでいたタクシーが信号で引っかかった。

街灯に照らされた大学の正門。
真夜中だから人はいない。

それを見ていたら、窓越しに澪ちゃんと目が合った。
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