触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
物語が終盤に差し掛かったとき、やっと後ろに澪ちゃんがくっついてきた。
抱きしめられるようにお腹に両手が回される。

背もたれがなくて少し姿勢がきつかったから、あぐらをかいた状態の澪ちゃんの方へ甘えるように体重を預けた。

柔らかい感触が頭に伝わってくる。



「重くない?」

「全然」



もう少しで終わりそうだから映画に集中したいのに、さっきから澪ちゃんが「ふんふん」と犬のようにわざと鼻を鳴らして髪にくっついている。

くすぐったいし正直ちょっと邪魔。

文句を言おうとお腹に巻きついている腕をつかんだら、いきなり首の後ろを舐められた。


「ひゃあ!?」

「あ、ここ微妙に響くから、あまり高い声出さないほうがいいかも、深夜だし……」



そう言われて慌てて口をつぐむ。

ーー誰のせいだと……。

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