触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「そういやミカさん、昨日言ってたお友達の話、どうなりました?」



お昼。

いつものカフェでグラタンを冷ましていたら、茜ちゃんがたらこスパゲティをフォークに巻き付けながら聞いてきた。



「あー、おかげさまで仲直りできたよ、ありがとう」



友達、と言われて一瞬なんの話か解らなかったけど、すぐに澪ちゃんとのことだと思い出す。



「そうなんですね、よかったですね」

「あのとき雰囲気悪くしてごめんね」

「いいえー、ミカさんってあまり自分のこと話さないから、新鮮というか」

「そうかな?」

「あー、あとミカさん、朝から気になってたんですけど首のそれ、キスマークみたいなのついてますよ」

「!?!?」



慌てて左手で首を隠す。
「逆ですね」と茜ちゃんが笑った。



「例のお友達ですか?」

「……たぶん……?」

「ていうか友達じゃないでしょ、彼氏ですよね」



彼氏……?
澪ちゃんは女の子だから彼女になるのかな。



「……うん、付き合ってる、人」

「それって営業の早坂さんですか?」



突然出てきた元彼の名前。

私がこの前振られた相手だ。



< 63 / 259 >

この作品をシェア

pagetop