エリート副社長とのお見合い事情~御曹司はかりそめ婚約者を甘く奪う~


「すみません……どれくらい寝てましたか?」

謝ると、四宮さんは微笑んで首を振った。
伸びてきた手が頭を撫でる。

「一時間ほどだし問題ない。体は大丈夫か?」
「……はい」

四宮さんに倣って上半身を起こしたところで……自分の体に起こった変化に気付く。
下着もしっかりつけていれば、その上にオーバーサイズのカーディガンを羽織っている。

でも、何度考え直しても眠る前の私は裸だったので、誰の手によって着せられたのかを考えると頭を抱えたくなった。

ある意味、初体験自体よりも恥ずかしい。

「もう……自分が情けなくて、穴があったら入りたいです」

いきなり反省し出した私を不思議そうに見ていた四宮さんだったけれど、そのうちにその原因に気付いたようだった。

「ああ、この時期だしそのまま寝かせるのは心配だったから適当に着させたんだ。寒くはなかったか?」
「それは全然……本当にすみません」

再度謝った私に、四宮さんは困ったように笑いひとつ息をついた。

「鈴奈の真面目で遠慮深いところは長所だと思う。けれど、俺に対してはもっと甘えてくれていい。……いや、むしろ俺がそうして欲しい」

そう言った四宮さんが微笑む。

「いつかも言ったな。俺は鈴奈にとってそういう存在になりたいと」

穏やかな声に、そういえば……と以前言われた言葉を思い出した。


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