線香花火が落ちたキミ


自分でもよく分からないけど。


「おーい!もう酔っちゃった?」


目の前に手が現れて、我にかえる。


「大丈夫か?」

「大丈夫。大丈夫。ちょっとトイレ行ってくるわ。」

「あ、おう」と返事をする友人の肩を借りて立つ。


ずんずんと進んでく僕は、店主の言葉に気づかなかった。


「今、トイレ入ってるよ!…て行っちゃったか」


お客は、もちろん僕たちの他にもいたのだ。


座敷に女性3人と男性が4人ほど。


どうやら職場の飲み会らしかった。
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