気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
素早く身を翻し、近くの階段の陰に身を潜める。

空き教室から出てきたのは、シューズのラインの色から三年生。

「灯台下暗しとは・・よく言ったものね。」
私は三年生の顔を忘れないよう記憶に刻み込むと保健室に向かった。

まさか、その後、空き教室からもう一人の人物が遅れて出てきていて、
軽い足取りで保健室に向かう私の姿を見ている人物がいるとは気づいて
いなかった。

保健室のベットに横になりながら、頭の中で先程の内容を考える。

‟ あの電話の内容は、きっとクスリの取引。スノーはコカイン、バツは
 MDMAのはず・・・あの三年生は売人か・・・。
 後は、ブレイクとは?内容からして売人の元締め・・・。明日か・・。”

保健室のベットで時間を潰すと、三時間目が終了する予鈴で職員室に
向かった。

担任に早退する旨を伝えると、すんなり了承される。

教室に戻ると、前の席の子に早退することを告げ、鞄を持って教室を
足早に出た。

< 20 / 104 >

この作品をシェア

pagetop