気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
女を隣におくことすらしなかった蓮だから、噂になるのはしょうがない
と思いつつも、程々にしてほしいと思う。

そんな噂話にうんざりしながら席につけば、前の席の子が話しかけてきた。

「おはよう。夏木さんもキングの噂気になるの?」

「う~ん、別に・・・。」

「そうだよね、夏木さんみたいな大人しい人は興味なさそうだもんね。」

「うん、興味ないかな。」

なーんて、白々しい言葉が口から出る。

でも、やっぱり学校ではこのキャラが丁度いい。


四時間目が終わると私は中庭へ、ここは人が来ないからゆっくりできる。

今日もベンチに座り、コンビニで買ったサンドイッチとカフェオレでランチ
タイムを楽しんでいると、スマホが振動する。

「はい、静香さんどうしたの?」

「ちょっと急なんだけど、今日バイト頼める?」

「あーいいよ。」

「じゃあ、お願いね。」

静香さんとの短いやり取りの後、蓮にも夜出かけることをメールで知らせると
直ぐに「了解」と返事が返ってきた。

大西組の一件があってからGPS付きのアンクレットとピアスで私の居場所は
把握しているにも関わらず、出掛ける時は必ず連絡することになっていた。

別にやましい事もないのでいいのだが・・・

蓮の心配症にも困ったものだ。

きっと、いつか心配し過ぎで禿げるかもしれない。

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