青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
倒れたテンちゃん、救世主テンちゃん



翌朝、彼は昨日の発言通りに朝食の報告を催促してきた。

普段は面倒くさいし、少しでも遅刻するとキツネ上司がうるさいので、買いだめしているゼリーで済ませていた。

朝時間が無いなら早く起きろ、と言われても仕方ないのだが、ぎりぎりまで寝ていたいという欲には勝てないのだ。


でもそんな生活をしていたのだから、冷蔵庫に食材がある訳もなく。
困り果てた末、嘘をついてみた。
「食パンと牛乳です」
立派な朝食よね、と自賛しながら送ったら、「証拠を見せろ」と返ってきてしまった。

うーん。やっぱり嘘はバレたか。
諦めてここは正直に、昨日の今日で食材ありません、今日買いますと伝えた。
それには納得してくれたようだ。


今日のところはいつも通りゼリーで済ませ、獄務が待つ会社へと向かった。


夜中のラーメンが胃に堪えないかと心配だったが、私の胃はまだ丈夫のよう。
こういうところは、幼い、ではなく若々しいと言えるから良いんだけど。





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