今日から不良王子と同居します。
周りを見たらメイドさん達同士で顔を見合わせて嬉しそうな顔。


それに気が付いて焦った。


「あ、やっぱり駄目っ」


「そ」


ニカッっと明るく笑う彼。


その端正な顔を見て思った。


良かった、今日は怪我とかしていないみたい。


あれから、喧嘩はしていないみたいでホッとする。


停学が無事に終わったばかりだから、彼には何事もなく平穏に過ごしてほしいな。


不良高校に通うってことがどういうことなのか私にはいまいちわからない。


彼が望まなくても喧嘩に巻き込まれたりするのかなってそれも心配。


とにかくもう２度と、彼に停学処分なんて受けて欲しくないな。


彼の日々の無事な姿を、確認するのも私の役割のような気がするんだ。


気分はすっかり保護者というか。


もしかしたら姉か母親ってこういう気持ちなのかな。


なんだか、彼は危なっかしくて目が離せないんだ。


「玲生くん、学校はどう？楽しい？お友達とは仲良くやってる？それと」


「はいはい、楽しくやってますよ、お姉さま」


彼は最後のお肉を頬張りながら適当な相槌を打つ。

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