今日から不良王子と同居します。
だって一緒に食べると、こんなにおいしく感じるんだもん。


ダイニングルームの大きなテーブルをはさんで、彼と向かいあって席についた。


私は、肉汁が滴るステーキの一切れを口に運ぶ。


口いっぱいに広がる新鮮なお肉の甘味に頬が緩む。


すると玲生くんは眩しそうに私を見たような気がした。


「玲生くん、怪我の具合はどう?背中をひっかいちゃってごめんね」


「いつの話だよそれ。もうそんなのすっかり治っちゃったよ」


「うそ、そんなにすぐに治るわけないよ。私に気を使っているんでしょ」


「まさか、そんな心配しないで。なんならここで脱いで見せてあげようか?」


彼はいたずらっぽくウインクするから、クスッと笑う。


「わかった、じゃあ、みせてもらおうかな」


彼は私をからかうのが楽しいみたい。


でも、私だってこのくらいの返しは出来るんだからね。


「言ったな。よーし、じゃあ脱ぐからな」


彼はナイフとフォークを置いて制服のネクタイに手をやる。


さっき帰ってきたばかりなので、まだ部屋着には着替えていなかったみたい。


「えっ、うそっ。ここで?」

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