今日から不良王子と同居します。
「やめてったら」


自分でもびっくりするくらい大きな声。顔が熱い。


恥ずかしくて玲生くんの方が見れない。


心をかき乱されるのはいつだって彼の言葉。


これまでだって、何度も心が揺さぶられた。


始めてキスした時のこと。


私を助けようとしてくれた時のこと。


プールで抱き合った時のこと。


悩んでいる彼の弱い一面に触れた時のこと。


お互いに守るって伝えあった時のこと。


いま、思い出さなくてもいいのにそれらが勝手に脳裏に浮かんでドキドキと胸が高鳴りはじめる。


でも、私には彼の気持ちがはっきりわからないよ。


「玲生くん、そんな言い方しないで、冗談なんでしょ?」


「冗談じゃないって言ったら?」


玲生くんは低い声で答える。


一瞬彼の青い瞳と目が合ったけど、すぐに俯いた。


その青があんまり真剣な色に見えたから。


うそだよそんなことない。どこまで本気なのかわからない。


いつもみたいに私をからかっているだけだって思うのに、彼の言葉が、その瞳が私の心をとらえて離さない。

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